さちこのナース勉強blog

ナースの為の勉強blog&ママナースの日常 元ICUナースが臨床で役に立つ看護の基礎と病態をわかりやすく伝えます。ママになって経験してきたこともお伝えしていきます。

バイタルサイン 呼吸の観察について

こんばんは('ω')ノ

今日も暑いですね。なんだか、毎日暑いですねっと言っている気がします。

今日からお盆休みっという方もいるのではないでしょうか・・・

まぁ、病院勤務の方はお盆とか関係ない!という人がほとんどでしょうけど・・・

 

私も常勤で病院勤務していたころは、国民の祝日的なものはあまり関係ありませんでした(;^_^A

パートになってから、祝日を考える機会が増えました。

 

そんなところで、今日は呼吸のことやろうと思います。

 

意外と忘れがちの、呼吸観察の基礎について振り返ります。

 

本日の流れ

呼吸状態の観察

①呼吸数

②呼吸の深さとパターン

③努力性の呼吸

④胸郭の可動

 

 

の4つでお送りします('ω')ノ

簡単だよ~と思わず、一緒に振り返ってみましょ💡

慣れると大体の感覚で動きがちですが、

そういう時こそ基本の振り返りが大事になります☆

 ①呼吸数

呼吸数は胸部や腹部の動きから観察します。

患者には気が付かれないように、血圧を測りながらとか、脈をとりながらとか

ほかの観察をしながら、一緒に観察します。

 

正常の呼吸数は、12~18回/分です。

異常呼吸として、頻呼吸徐呼吸があります。

 

・頻呼吸

 呼吸の深さは変わりませんが、呼吸回数が25回/分以上のもの。

 心不全、発熱時や興奮時、神経症などに認められます。

 

・徐呼吸

 呼吸の深さは変わりませんが、呼吸数が9回/分以下のもの。

 脳圧亢進時や睡眠薬中毒患者などに認められます。

 

②呼吸の深さとパターン

この項目も呼吸数と同じく胸郭や腹部の動きから観察します。

正常であれば、胸部もしくは腹部が同じぐらいの頻度で1.5センチぐらい上がったり下がったりします。一回換気量は大体500mlと言われています。

 

【呼吸の深さ】

呼吸の深さの異常呼吸として、過呼吸減呼吸があります。

 

過呼吸

 呼吸数は変わりませんが、一回換気量が増加したもの。

 生理的には運動直後に認められますが、甲状腺機能亢進症や貧血時にも現れます。

 

・減呼吸

 呼吸数は変わりませんが、一回換気量が減少した状態です。

 生理的には睡眠時に認められますが、

 呼吸筋麻痺や睡眠薬モルヒネ中毒の時に生じます。

 

【呼吸数と深さ】

呼吸数と深さのどちらも異常となる状態で、多呼吸少呼吸があります。

あまり聞き慣れないですけどね…。

 

・多呼吸

 呼吸数と一回換気量が増加したもので、神経症の時に認められる。

 過換気症候群、肺血栓塞栓症、呼吸窮迫症候群、

 先天性横隔膜ヘルニアなどでも多呼吸となることがある。

 

・少呼吸

 呼吸数と一回換気量が減少したもので、休息期(呼吸が止まっている時間、呼吸と呼吸との間の時間)が長いです。

 この休息期が長い場合は、無呼吸といわれます。

 

【パターン】

呼吸のリズム異常についてです。

正常であれば、吸息:呼息=1:3なのですが

そうでないものは呼吸のリズム異常になります。

 

・チェーンストークス呼吸

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チェーンストークス呼吸

20~30秒の無呼吸に続いて呼吸が始まり、それが徐々に深くなって過呼吸の状態となり

再び徐々に浅くなって無呼吸の状態となるもの。この時の呼吸周期は30~100秒です。

脳の酸素欠乏・呼吸中枢の感受性低下の場合に起こります。

脳出血低酸素脳症アルコール中毒患者などに認められます。

 

 

・ビオー呼吸

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ビオー呼吸

無呼吸の状態から急に4~5回の呼吸を行い、再び急に無呼吸になるもの。

周期は不規則です。

この無呼吸は、脳の血流障害によって呼吸中枢に酸素と栄養が不足して起こるので、

脳に障害がある場合に認められます。脳炎、脳腫瘍、髄膜炎、脳外傷などで生じます。

この呼吸になっていたら、生命の危機であることを示します。

 

・クスマウル呼吸

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クスマウル呼吸

異常に深い大きな呼吸が持続し、雑音を伴うもの。

糖尿病性昏睡、尿毒症性昏睡のときに生じます。

 

 

③努力性の呼吸

・呼吸困難

過呼吸で、呼吸運動を非常に努力して行っている状態。

 

・尾翼呼吸

呼吸困難が強くなり、尾翼(鼻の両側にでっぱっているところ)が動く状態。

 

・下顎呼吸

呼吸困難が強くなり、下顎が動く状態。

死戦期呼吸ともいいます。この呼吸が始まると、死が近づいています

 

・起坐呼吸

心臓疾患の患者で臥位では肺にうっ血(肺にみずがたまる状態)を起こして苦しいため、上体を起こして呼吸をしている状態。

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仰臥位呼吸と起坐呼吸

★努力呼吸をしているときは、体内に入ってくる酸素の量が少なく血中酸素濃度も低いことが多いです。

体内の酸素化不良を観察するには、皮膚の色を確認するとよいです。

皮膚や唇、爪の色が赤紫色になっていないか(チアノーゼ)

呼吸数やパターンなどを観察するときに一緒に観察してみてください。

 

④胸郭の可動

正常は胸郭の動きに左右差はないです。

 

〇胸郭の動きに左右差や呼吸音の減弱があった場合

 ⇒自然気胸や緊張性気胸などの可能性があります。

 

〇胸郭の上がりが悪い・副雑音の聴取ができる場合

 ⇒痰の貯留や痰などによる一部の気管支閉塞によって起こります。

 

〇胸郭の前後径:左右差の比率は、おおよそ1:2

 ⇒前後径の拡張は、閉塞性換気障害などによる肺の過膨張状態の可能性があります。

 

 

 

お疲れさまでした!

とりあえず、今日はここまでにします。

明日は呼吸音についてお話ししようと思います。

明日の呼吸音については、結構皆さんわかりずらい!と思う方がいらっしゃると思います。

私も今でも迷うこともありますが、ポイントをお伝えできれば

と思っています❕

では今日はこの辺で☆彡

 

 

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こんばんは!今日は呼吸の観察について書いてみました!本当に基礎的な部分で、簡単だよ!知ってるよ!と思うと思いますが、そういう時こそ、基礎に変えるということが大事だと思います。よかったらみてね⭐️http://saccyan-kango.hatenablog.com