さちこのナース勉強blog

ナースの為の勉強blog&ママナースの日常 元ICUナースが臨床で役に立つ看護の基礎と病態をわかりやすく伝えます。ママになって経験してきたこともお伝えしていきます。

呼吸について②

こんにちは!
今日も暑いですね。晴れているので、久しぶりに自宅で洗濯をしました!
やっとコインランドリー生活から抜け出せそうです。


さて、昨日の続き・・・

呼吸システム


呼吸運動の仕組みのそれぞれの機構に進んでいこうと思います。

今日の流れ

1 呼吸調節
2 換気運動
    気道抵抗
    コンプライアンス
3 ガス交換

でお伝えしていきます☆
では、はじめま~す!

1 呼吸調節
呼吸調節により呼吸の速度、リズム、深さが決定され、動脈血液中の酸素分圧と二酸化炭素分圧が一定に保たれます。

☆酸素分圧や二酸化炭素分圧で出てくる、「分圧」ってなに?と思う方・・・
 鋭いです!分圧というのは、すごーく簡単に言い換えると、濃度のようなもののことです。
 詳しくは、また違うタイミングで詳しく分圧についてお話したいと思っています


呼吸パターンの調節は、脳幹の延髄にある呼吸中枢が重要な役割をしています。

呼吸中枢を調節する重要な信号は

動脈血酸素分圧(PaO₂:80~100㎜Hg)

動脈血二酸化炭素分圧(PaCO₂:35~45㎜Hg)



①、②の信号を感知する受容体が化学受容体です。
中枢化学受容体(延髄)は、PaCO₂の変化に敏感に反応します
また、末梢化学受容体(頸動脈や大動脈)は主にPaO₂の変化に反応します
※PaO₂に反応する末梢化学受容体は、やや感度が低いです。
  ⇒PaO₂が60㎜Hg以下で反応する。



2 換気運動
息を吸うためには、胸郭を余分に広げる必要があります。この時に使われるのが、横隔膜肋間筋です。いわゆる吸気筋というやつですね。
息を吐くときは、吸気筋の運動(収縮)は必要ないんです。まぁ吸気筋と言ってるぐらいですしね(笑)
特に何の障害もない時では息を吐くとき吸気筋を弛緩させることで肺が縮まります。この運動を交互に繰り返すことで、換気運動が成り立っています。

なので、吸気筋の異常やそこに分布する運動ニューロン(神経)の異常、吸気筋が正常でも胸郭の運動が制限されていれば、肺を十分に膨らますことができず呼吸障害を起こしてしまいます。

ところで( ̄∠  ̄ )ノ
胸郭が広がれば、肺も膨らみますよね・・・
なんででしょう?

胸腔内圧(胸郭と肺の間にある密閉された胸腔の内圧のこと)は陰圧(大気圧以下)になっています。このおかげで胸郭の動きと連動して肺も運動できているのです。
なぜ胸腔内圧が陰圧なのかというと、胸腔内で肺が胸壁と密着してなかったら胸郭が広がっていても肺は胸郭の動きに合わせて膨らんだり縮まったりすることができないからです。
胸壁と肺が密着するためには、胸腔内圧を陰圧に(大気圧より圧を下げて)管理する必要があるんですね(・∀・)つ

このため、外傷や自然気胸で胸壁や肺の表面に穴があいてしまうと、胸腔内圧が大気圧と同じになってしまい、肺が縮んでしまって胸郭の動きと連動しなくなります。
胸腔内が陰圧であることによって、胸腔内にあるほかの臓器(心臓・大血管など)もその臓器の形を維持できています。
胸腔内圧が大気圧と同じになってしまうことで、臓器が圧迫され心拍出が十分にできなくなり、循環動態が悪化します。だから、すぐに脱気などの正しい処置が必要になります。


胸腔内圧の胸腔はこの図で確認してみてください☆
胸腔の図ほんと!



気道抵抗
呼吸筋(吸気・呼気の筋肉)や胸郭が正常でも、空気の通り道(気道や肺)に異常があると換気障害となります
ここで重要なのは、気道の広さ肺の柔らかさ

気道が狭くなれば気道の抵抗が強くなり、その中を通る空気の流れる速さは遅くなる。
※タピオカストローみたいな太いストローで、アイスティーを飲むときはすぐ飲み終えちゃう。
でもおしゃれなカフェとかに行くと時々出てくる、ほっそいストローで飲むと飲み終わるの遅くなるよね・・・。


コンプライアンス
肺の弾力性=柔らかさをコンプライアンスといいます。
間質性肺炎・肺線維症などのように肺がかたくなる(コンプライアンスが低下する)疾患では、肺が縮もうとする力(弾性収縮力)が強く、呼吸筋を動かしても十分に膨らませることが出来ません。


慢性閉塞性肺疾患COPD)では、肺胞壁が破壊されているために、肺の弾性収縮力が低下(風船の場合、何度も伸ばしすぎて風船のゴムがブニブニになってしまっている状態)し、膨らみすぎた(コンプライアンスが上昇した)状態にあり、早く息を吐くことが出来ません。
コンプライアンス上昇=肺が柔らかすぎて縮みにくいということ
このような患者では、特に運動時に十分に呼吸数を増やしたり、一回換気量を増加させることが出来ず、労作性の呼吸困難が起こりやすいです。


換気障害が起きているときは、

肺自体の異常(気道・肺疾患)
肺を動かすシステムの異常(神経・筋・胸郭疾患)

の両方を考える必要があります



3 ガス交換
肺胞内の空気と肺胞を取り囲む毛細血管内の血液との間で、酸素と二酸化炭素がやり取りされること。
1つの肺胞と血管におけるガス交換は、肺胞内血液とのガス分圧の差
及び肺胞壁のガスの通りやすさ(拡散能)によって決定される。


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この、肺胞内のガス分圧・拡散能・血液内のガス分圧についてはまた次の会でお話しします!
今日はこのへんで(*・ω・)ノ

 

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今日もかけました⭐️よかったら覗いてみてね!