さちこのナース勉強blog

ナースの為の勉強blog&ママナースの日常 元ICUナースが臨床で役に立つ看護の基礎と病態をわかりやすく伝えます。ママになって経験してきたこともお伝えしていきます。

心臓カテーテル治療

こんにちは、さちこです(*'ω'*)

今日は心臓カテーテル治療について

お話ししようと思います。

 

虚血性心疾患の治療法の

1つです。

知っている方も

多いと思いますがひとくちに

カテーテル治療といっても

いろんな手技があります。

その治療法それぞれの

特徴もあるんです。

意外と知らなかった!

忘れてるなぁという部分も

あるかと思います。

良かったら参考にしてください。

 

では始めます。

 

本日の流れ

 

 

 

1 心臓カテーテル治療とは

目的

虚血性心疾患に対して

狭窄していた冠動脈を拡張させる

(ステントを留置して拡張後の

 再狭窄を防いだり、冠動脈狭窄部を

 回転するヤスリやカンナ状の

 もので削り取ったりする。)

 

不整脈の治療として

不整脈の原因になっている部分を

高周波電流で焼き切る

(アブレーション治療)

対象となる患者

 ◎狭心症心筋梗塞などの

  虚血性心疾患患者

  弁膜症などの後天性

  あるいは中核欠損や

  ファロー四徴症

  などの先天性疾患の患者

 

 ◎動脈硬化の患者

  特に動脈瘤では緊急検査の対象

 

不整脈の患者

 体表面心電図では判定できないものや

 重症不整脈が対象

 

 

今回は、虚血性心疾患に対する

治療のことだけを重点的に

説明していきます。

 

2 それぞれの治療と合併症

POBA バルーン血管形成術

PCI(経皮的冠動脈インタベーション)

で最も古くからおこなわれている

方法です。

再狭窄率が高く、現在では単独で

行うことはほとんどありません。

狭窄部位にガイドワイヤーを挿入し

バルーンを挿入します。

挿入したバルーンを膨らませ

狭窄部位を拡張した後

バルーンを抜きます。

 

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POBA

 

これだけでは、すぐに

狭窄してしまうことがあり

現在ではステントも一緒に

実施することが多いです。

 

ステントは病変部まで

バルーン付きのステントを

挿入して、拡張させた後

バルーンのみを縮小させ

バルーンだけ回収して

ステントは病変部位に置いてきて

再狭窄を防ぐ手法です。

 

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ステント

 

起こりやすい合併症

PCI実施中の合併症は

ステントの脱落や冠動脈穿孔、

不整脈などがあります。

術後特に注意が必要なのは

急性期、亜急性期の

ステント血栓症です。

冠動脈内に金属の異物が

むき出しの状態となる

ステント部位に

血栓ができ、重要な

冠動脈を閉塞すると

急性心筋梗塞を発症します。

術後の患者の症状や血行動態に

変化があればすぐにバイタルと

心電図チェックをしてください。

必要であれば医師に報告

して指示を仰ぎましょう。

 

また、PCI後の最も多い

合併症は、穿刺部などの出血です。

PCIでは2剤の抗血小板薬を内服

のうえ、ヘパリンを多量に使用する

ため、特に注意が必要です。

実際に穿刺部を目で見て

触って出血や血種がないか

出血や血種が拡大していないか

前勤務者とともに

確認しましょう。

 

★ステントの種類

≪ベアメタルステント BMS

ステンレスやコバルト合金の

金属のみで出来た

従来のステントの総称です。

POBAやDCA(ドリルで削る手技)

単独に比べれば

再狭窄率は低いですが、

ステント周囲に新生・増生する

内膜組織により、

再狭窄が30%程度生じます。

 

≪薬剤溶出性ステント DES≫

ベアメタルステントの表面を

薬剤を含んだポリマーで

コーティングし、平滑筋の増殖を

抑止する薬剤(免疫抑制剤が主流)

をポリマーから徐々に

放出させるようにして

再狭窄率を1割程度に抑えた

ステント。

現在はこのステントが

主流になっています。

BMSより再狭窄率は

著しく低いですが

新生内膜の増生を抑制するため

ステントという異物に対する

血栓形成傾向が問題となります。

その予防としてステント留置後の

抗血小板薬の継続投与が行われます。

 

PCI 経皮的冠動脈インタベーション

虚血性心疾患に対してカテーテル

狭窄部位に様々なデバイスを送り込み

血管内腔を広げて血管を形成

あるいは再灌流させる治療法のこと。

(かつてはPTCAといわれていました。)

 

急性心筋梗塞に対しては

再灌流療法の中で最も多く

行われており、第一選択となっています。

狭心症に対してもPCIを行われることが

多いですが、バイパス術(CABG)が選択

されることも少なくはないです。

 

カテーテル

大腿動脈・上腕動脈・橈骨動脈

のどこからか挿入し

冠動脈の狭窄部位に送り込みます。

 

粥腫切除術(アテレクトミー)

DCA

バルーンでカテーテルを固定し

ドリルでアテロームを削り取ります。

アテロームを削り取り、

血管の内腔を広げる方法です。

削り取ったものは回収します。

最近は製造中止となっているようです。

 

ロータブレータ

経皮的冠動脈回転粥腫切除術のことです。

研磨バーを使い冠動脈から

粥状硬化性プラークを取り除きます

回転によりバーは、選択的に硬くなった

組織を取り除きます。

 

合併症

冠動脈穿孔の可能性があります。

高リスク病変の場合は

循環動態の不安定化から起こる

心原性ショックに対する対応を

要することが多いです。

看護師は、循環と呼吸状態を把握し

適宜医師とコメディカルに伝達します。

医師の指示のもと

追加の鎮痛薬や心不全による

呼吸状態の変化の把握と

呼吸管理、気道確保・挿管の準備

急変の可能性が高くなれば

医師を含めた追加要因の確保

など広く視野を持って

次に何が必要かを考えながら

行動することが大事になってきます。

 

血栓吸引療法

血栓プラークのような

硬い組織ではないので

POBAやステント留置の時に

末梢にこぼれてしまい

末梢塞栓を起こしてしまう

ことがあります。

そのため、多量の血栓があると

思われた場合は血栓吸引を行います

 

 

 

これらの手技を合わせて治療が

行われます。

血栓吸引とPOBAとステントや

ロータブレータと血栓吸引と

POBAとステントなどといった

合わせわざで治療が行われるのです。

 

 

今日はこの辺で

終わりにしようと思います。

心臓カテーテル治療について

理解できたでしょうか??

略語は結構カルテに記載

されることがあるので

略語とその治療内容を

覚えておくと

どんな治療をしてきたか

すぐに理解できるので

いいと思います。

 

ではまた書きます!

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