さちこのナース勉強blog

ナースの為の勉強blog&ママナースの日常 元ICUナースが臨床で役に立つ看護の基礎と病態をわかりやすく伝えます。ママになって経験してきたこともお伝えしていきます。

手術による体への影響

こんばんは!

昨日まで呼吸について連日blogを書いてきたので、今日は呼吸から一旦離れてみようと思います。

しっかし、今日も猛烈に暑いですね。パートを終えて、お買い物して

家に帰ってきたら「あ、意外と家の中涼しいな」と感じたのですが、一応時計についている温度計を確認してみたら・・・

なんと!30℃を示している❕

これはもはや私の感覚がおかしいのか・・・。やばいな。と思い、すぐさまクーラー様に活躍していただきました(笑)

皆さんも熱中症には気を付けてくださいね(;^_^A

 

では、今日のお題

手術による体への影響についてお話していきます。

今日の内容は、看護学生さんや新人で入職した看護師さんの振り返りになると思います~。

 

本日の流れ

1 手術侵襲とは

2 ムーアの分類

の流れで説明していきます。

 1 手術侵襲とは

生体がさらされている環境は常に変動していますが、生命を構成する細胞の営みを支える環境(内部環境)としては、生体には温度・㏗・栄養・酸素系がほぼ一定に維持されている仕組みが備わっています。

この内部環境の恒常性をホメオスタシスといいます。

このホメオスタシスを乱す外的刺激の総称が侵襲です。

 

ホメオスタシス看護学校でも習いますよね💡これが大事なんですよ~('ω')ノ

 

生体は侵襲に対してホメオスタシスを維持するために、神経系・内分泌系を中心に反応を示します。

特に重要な反応経路は、視床下部ー(脳)下垂体ー副腎皮質系と交感神経-副腎髄質系です。

これらは、生体反応であり生理的な生命防御現象なのです。

この生命防御現象が起こることによって、代謝・循環・内分泌・凝固線溶系・免疫などの全身的な変化が生じます。侵襲の程度が大きいほど、生命防御の反応は大きくなります。それに伴い、バイタルサインが変動します。

 

手術では、元の病気に対する術式・手術時間・出血量などによって侵襲の程度は大きく左右されます。

同時に患者それぞれの全身状態によって変化します。

循環器、呼吸器、腎・泌尿器系などの機能や年齢が侵襲に対する生体反応の大小を規定する要因となります。

 

2 ムーアの分類

第Ⅰ相(障害期・異化期)

手術直後から数日間継続する、神経・内分泌系の反応が中心となる時期です。

この時期は様々なホルモンが刺激され体に影響を及ぼします。

じゃあ、どんなホルモンが刺激されるの( ^ω^)・・・?

 

視床下部ー下垂体ー副腎皮質系を介した

 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、コルチゾール(糖質コルチゾール)の分泌亢進

★交感神経ー副腎髄質系を介した

 ノルアドレナリンやアドレナリン(カテコラミン)の分泌亢進

視床下部ー下垂体系を介した

 抗利尿ホルモン(ADH)成長ホルモンの分泌亢進

★腎ー副腎系を介した

 レニン・アンギオテンシン・アルドステロンの分泌亢進

★膵ランゲルハンス島A(α)細胞からの

 グルカゴンの分泌亢進

が起こります。

 

これだけでは実際に体にどんな影響があるのかわからないですよね・・・

 

☝それぞれのホルモンの作用☝

●成長ホルモン:糖新生促進(血糖値上昇作用)、タンパク質合成促進、脂肪分解促進

 

血糖が上がることで、免疫機能が低下し感染しやすくなったり、傷がくっつきづらくなったり、傷から感染を起こしやすくなります(;^_^A

 

糖新生とは、体内に保存されていた糖分が消費され、外部からの糖分の補給が途絶えた時におこる、筋肉のタンパク質や脂質を分解して生じていたアミノ酸やグリセロールから糖を作り出す反応のことです。

 

●副腎皮質刺激ホルモン:糖質コルチコイドの分泌促進

 

●糖質コルチコイド:糖新生の促進、骨格筋のタンパク質分解

 

●鉱質コルチコイド:ナトリウムイオンの再吸収促進、

          カリウムイオンと水素イオンの排出促進

 

●抗利尿ホルモン:水再吸収の促進

 

●アドレナリン:β受容体刺激作用(心拍数増加、心収縮力増強)

 

ノルアドレナリン:α受容体刺激作用(血管収縮、血圧維持)

 

●レニン:アンギオテンシノーゲンをアンギオテンシンⅠに変換

※レニン・アンギオテンシン・アルドステロン系は血圧のお話で出てくるので、見てみてください💡

 

●グルカゴン:グリコーゲンの分解、糖新生促進

 

●心房性ナトリウム利尿ペプチド:血管弛緩作用、利尿作用

 

ここで出てくるホルモンは大体こんな感じです!

 

 

第Ⅱ相(転換期)

神経・内分泌反応は落ち着いてきて、水・電解質正常の状態に戻っていきます。手術侵襲が大きければ、第Ⅰ相が長く続き、その分第Ⅱ相も遅くやってきます。

抗利尿ホルモンやアルドステロンによってサードスペースにたまった水分が血管内に戻り、ナトリウムと過剰になった水分は尿として排泄されます。

⇒利尿期なんて言ったりもします( ..)φメモメモ

正常であれば、手術後3~5日目ぐらいの間がこの第Ⅱ相です。

 

 

第Ⅲ相(同化期・筋力回復期)

タンパク質異化(分解)亢進がおさまり、筋タンパク質が回復します。

手術後1週間前後から始まり、手術侵襲の程度にもよりますが2~5週間持続します

 

第Ⅳ相(脂肪蓄積期)

筋タンパク質の合成が進むとともに、脂肪が蓄積されていきます。

 

ムーアの分類久々でした~!

第Ⅰ相のホルモンの話は術後の患者さんを見るにあたって、どうして今こんな症状が出ているのだろう、どうして今こういう管理をしているのだろう・・・と考えるヒントになると思います。

 

では、今日はこの辺で💡

 

 

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遅くなりました!8/4分のブログでーす!今日は術後の体の影響についてです!よかったら見てみてください!http://saccyan-kango.hatenablog.com