さちこのナース勉強blog

ナースの為の勉強blog&ママナースの日常 元ICUナースが臨床で役に立つ看護の基礎と病態をわかりやすく伝えます。ママになって経験してきたこともお伝えしていきます。

術後管理 循環・水分管理

こんにちは、さちこです('ω')ノ

昨日は少しゆっくりさせてもらってました。

久しぶりのおいしいごはん満足でした!

今日もゆっくりしようと思っていましたが

まだ余力があるので

勉強blogの更新をしようと思います。

 

さて今日は

「術後管理 循環・水分管理」

についてお話したいと思います。

前回お話しした循環動態の観察の一部です。

水分出納バランスは、様々な影響で

循環動態が崩れやすい術直後は

特に大切な項目です。

 

集中の人はもちろん

病棟でも術後患者を受け入れることも

あると思います。

そんな時医師がどうして

このタイミングで輸液するのか

などといった医師の指示の意味も

理解できるようになる内容になっていると思います。

 よかったら読んでみてください。

 

本日の流れ

 

 

 

1 血管内水分量の観察

術直後は、ホルモンの関係やサードスペースに

水分が移動してしまい、血管内脱水が生じることや

術後の出血によるものなど様々な影響で

循環動態が崩れやすいです。

 

そのため術直後は特に患者の

水分バランスの観察が重要になってきます。

血管内の水分バランスを見る指標として

活躍するのが”中心静脈圧(CVP)”です。

 

中心静脈圧(CVP)とは

中心静脈圧(CVP)は、胸腔内大動脈の圧で

循環血液量・心機能・末梢静脈系の収縮力

関連して変動します。

心機能が安定している場合

循環血液量の変化を反映します。

急性循環不全、ショック、心臓手術後、

大量輸血・輸液などの時に

循環動態を知る重要な指標です。

そのため、術中や術後によく用いられます。

上大静脈に挿入・留置されたカテーテル

接続した静脈圧測定セットと

スケールによって測定します。

 

測定方法

①まず0点較正を行います。

 水平仰臥位で第4肋間の腋窩中線上

 に位置する高ささを0点といいます。

 0点の位置は、一度決めたら

 患者の体位が大きく変更しない限り

そのまま位置を変更することはありません。

★私は各勤務帯ごとで0点較正するようにしてました。

 

②測定機器セットと患者の体との

 ルート内が通じるように

 三方活栓も向きを変えます。

③測定機器から患者のCVにかけての間に

 空気などが入っていないことを確認し

(入っていたら機器と患者の接続部分を外し、

 空気を抜きます。)

 ヘパリン入りの生食をフラッシュします。

 ※ルート内に空気が入っていると

  正しい値が測定できません。

④モニターで波形と圧の数字を確認します。

⑤CVPの測定が終わったら片づけます。

 

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CVP測定方法

 

CVP正常

5~10㎝H₂Oと言われています。

※参考書によって少し値が違うことがあります。

CVPはその時の正常か異常かも大事ですが

それよりも前後の経過が大事で、

「数値がどのように変動しているのか」

観察し、上昇傾向・下降傾向なのか

観察して対応することが重要と言われています。

 

CVP変動の原因

【上昇】

過剰な輸血・輸液

心不全(右心内圧の上昇)

・血管収縮剤投与

・ベンチレーター使用中

気胸、胸水、胸郭動揺

心タンポナーデ

 

【下降】

循環血液量の不足

(出血、脱水、輸液不足)

・静脈灌流の減少

・急性左心不全

 

 

中心静脈カテーテル(CV)留置中の観察

そもそもCVPって何から測定できるか

というと、中心静脈カテーテル(CV)

から測定できます。

CVについてはまたほかの機会に

お話ししようと思いますが

中心静脈カテーテル(CV)の観察も

CVPを見るにあたって必要になると思うので

少しお話しします。

 

鎖骨下静脈穿刺法の場合は、胸膜・縦郭損傷による

気胸・血胸の早期発見が重要です。

そのため、呼吸音の聴診

穿刺部の皮下気腫押すと雪を踏んだ時みたいに

グッという感覚がある)、

呼吸困難の訴え穿刺部の疼痛の訴えに注意します。

 

感染対策として、穿刺部の露出、

穿刺部保護テープなどの汚染がないか確認し

必要であれば保護テープの交換などを行い、

汚染がないように管理する。

 

【測定時の管理】

測定をすぐに行いわない場合や測定終了後は

三方活栓をまわし

加圧バックにつながっている

ヘパリン入りの生食を流します。

ここで投与する点滴があれば

点滴を投与します。

 

ルート内が血栓などで閉塞しないようにします。

もしルート内閉塞が生じてしまった場合は、

血栓の吸引を試みます。

2.5mlシリンジがお勧めです。

※このとき強く吸引したり、

無理やり押し込んだりすることは危険です。

特に押し込むと

血栓が他へ飛んで行ってしまい

血栓塞栓症状が起こる恐れがあるため

絶対にやらないでください!

 

静脈圧測定セットの接続部のゆるみが

無いか確認します。

⇒ゆるみがあるとそこから

 出血してしまうため接続部の確認は

 必ず行ってください。

 

CVPの測定をするときは

呼吸変動が大きい場合

呼気終末期の値を見るようにしてください。

こうすることで正しい値を測定

することが出来ます。

 

2 尿量の観察

外傷、手術、麻酔など侵襲があった場合

腎臓は循環と代謝の変化の影響を

受けやすい臓器であるため尿量を

観察することで、体内の循環血液量の

バランスを見ることが出来ます。

手術が3時間以上にわたると予測される患者、

循環・腎機能低下患者、

高齢者などでは、術前から

膀胱留置カテーテルを入れ

術後数時間は状態が安定するまで

1時間ごとの尿量を測定します。

 

術後の尿量の目安

正常は1ml/kg/時以上を目安とします。

⇒50㎏の患者の場合は

 50ml/時の排尿があればよいということ

 

最低でも0.7ml/kg/時は必要です。

⇒50㎏の患者の時

 35ml/時は排尿されている必要があります。

 

利尿薬使用時

利尿薬使用による反応で尿量が多い時は

出来るだけ頻回に尿量の確認をします。

尿比重や電解質の検査を行い

バランスが崩れていないか確認します。

また、利尿薬投与後は

尿量が多量に出るためその時だけの

尿量ではなく

8時間、24時間などというように

時間的経過と全体量を見るようにします。

 

尿の流出が悪い時は

膀胱留置カテーテル内の外に出ているチューブが

屈曲していないか、詰まっていないか、

抜けていないかを観察します。

 

お疲れさまでした。

長くなってしまいましたが、

結構使えるお話しだと思います!

アセスメントするときや

医師の指示を考えるうえでも

役に立つと思います☆

ではおやすみなさい(-_-)zzz

 

 

※図を使用していますが

 著作権に触れるようでしたら

 削除しますのでお知らせください。

 

 

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ブログ更新しました💡よかったら見てください!http://saccyan-kango.hatenablog.com