さちこのナース勉強blog

ナースの為の勉強blog&ママナースの日常 元ICUナースが臨床で役に立つ看護の基礎と病態をわかりやすく伝えます。ママになって経験してきたこともお伝えしていきます。

術後管理 呼吸の観察と術後呼吸器合併症

こんにちは('◇')ゞ

今日は朝一で洗車しに行こうと昨日から旦那と話していたのですが…

5時半ごろに起きるつもりが、6時、7時と寝ては起きを繰り返し

最終的に起きたのは、なんと9時半。

早い段階から、寝室ではなく居間のほうに移動していたんですが

移動した先で二人で寝てました。☚意味ない!(笑)

 

そんなぐーたらな休み生活を送っています。

 

さて、今日のお題は

術後管理の呼吸の観察と術後呼吸器合併症についてお話ししようと思います。

本日の流れ

術後の呼吸の観察

 ・術後の呼吸状態の観察

 ・術直後に生じやすい異常呼吸の型

 

術後呼吸器合併症

 ・合併症を起こしやすい条件

 ・呼吸器合併症例

 術後の呼吸の観察

・術後の呼吸状態の観察

正常な呼吸は12~18回/分で規則的です。

しかし、術後は1~2回/分の無意識で深い呼吸も見られます。

時間の経過とともに、正常の呼吸に戻っていきますが

傷口の痛みと臥位による横隔膜運動の制限によって呼吸は浅くなりやすいです。

この場合、声をかけ指示をすれば深い呼吸はできる状態です。

呼吸が浅く十分に換気できない時間が長いと、体内の酸素化が悪くなることがあります。

そのため、ナースサイドから患者に意識的に深呼吸を促すように声をかけることも大事なことになります。

 

左右の胸郭の動きは同じで、患者は無意識に胸部の手術であれば腹式呼吸、腹部の手術であれば胸式呼吸へ変更し呼吸をします。

また術後早期は、呼吸数が増加します。全身麻酔の影響や吸入麻酔の化学的刺激などによる影響で、術後の呼吸への危険は大きいです。

特に術後2~3時間は注意深く観察する必要があります。

 

・術直後に生じやすい異常呼吸の型

上でもお話ししたように術直後は、呼吸への影響が出やすいです。

そのため術後はよーく患者の観察が必要になります。

ここでは、具体的にどんな異常呼吸になりやすいのかを見ていきます。

 

〇呼吸停止

 胸郭の動きがなく、呼気がない(手を鼻や口にかざして確認します。)

 原因:全身麻酔による覚醒不良、筋弛緩薬による影響

 

〇努力呼吸

 鼻翼・下顎・頸部・胸部の呼吸で

 補助筋(外肋間筋、内肋間筋、斜角筋、胸鎖乳突筋、腹壁筋など)

 総動員して頑張って呼吸している状態

 原因:上気道の閉塞、胸郭・肺以外の原因もあります。

 

〇シーソー呼吸

 胸部と腹部が交互に膨らむ呼吸

 原因:上気道の閉塞(舌根沈下など)、気管支喘息

    挿管中の場合は気管チューブの狭窄

 

〇低換気呼吸

 胸郭の動きが少ない

 原因:覚醒不良、筋弛緩薬の作用、鎮痛薬の過量

    挿管中の場合はベンチレーターの漏れや不適

 

〇徐呼吸

 呼吸数が少ない(11回以下/分)

 原因:低換気呼吸と同じ

 

〇浅速呼吸

 呼吸数が多く浅い(24回以上/分)

 原因:呼吸不全の初期症状、痛み、不快など様々な原因で生じる

 

〇左右非対称呼吸

 胸郭の動きが左右非対称

 原因:気胸(横隔膜の損傷、胸膜の損傷、胸腔ドレナージ不調)

    片肺挿管(チューブが深く入りすぎ)

 

術直後は、麻酔の影響などにより呼吸が正常な状態に戻るのに時間がかかります。

また、手術の影響で呼吸の合併症が生じている場合もあるので

呼吸状態を確認することが大事であることは、今までの説明で分かったと思います。

◎挿管中も呼吸器にのっているから、大丈夫!ではなく

左右対称に胸郭が上がっているか、術後のレントゲンで挿管チューブがどこに留置されているのかなどの観察や確認はとても重要です。

 

異常呼吸音については、前回blogに乗せたのでそちらを参考にしてみてください💡

https://saccyan-kango.hatenablog.com/entry/kokyuuonnnosyurui

 

術後呼吸器合併症

・合併症を起こしやすい条件

術後の合併症を起こしやすい条件は

〇高齢

〇肥満

〇喫煙者

〇開胸術を受ける患者

〇上腹部手術を受ける患者

〇慢性肺疾患(COPD、喘息など)

〇低アルブミン血症

〇糖尿病

〇がん患者

〇副腎皮質ステロイド投与中の患者

 

が挙げられます。

高齢者は、気道・肺・胸郭の加齢変化によって気道閉塞、無気肺、肺炎から急性呼吸不全になりやすいといわれています。

加齢とともに発症率は上昇し、特に70歳以上で合併症が増加します。

 

肥満患者は、臥位によって横隔膜や胸郭の動きが抑制されやすいため、術後の肺胞低換気や無気肺になりやすいです。

 

喫煙については、言うまでもなくとても害です(笑)

喫煙本数と喫煙歴に応じて呼吸器合併症が生じやすくなります。

喫煙は、気管支粘膜の線毛運動の抑制、線毛による粘液輸送機能の障害、分泌物の増加により痰の排出機能が悪くなり、呼吸器合併症が生じやすくなります。

 

慢性肺疾患は特に慢性閉塞性肺疾患を基礎に持つ患者は、もともとの肺の状態が悪いため呼吸器合併症が生じやすいです。

 

手術時間が長かったり、ドレーン挿入部や創部痛のため換気が抑制されることによっても合併症は生じます。

 

これらのリスクファクターに注意して、術前からの禁煙や深呼吸、咳嗽、早期離床と

呼吸理学療法の教育が大事です。

 

・呼吸器合併症例

 

①換気障害

 呼吸中枢の抑制

 呼吸筋の運動抑制

 上部気道の狭窄・閉塞

 

②肺胞でのガス交換障害

 無気肺

 肺炎

 肺水腫

 間質性肺炎

 

③循環の障害

 肺血栓塞栓症

 

代謝亢進による障害

 

があります。

 

今回はこの辺にします。 

次回は、この呼吸器合併症で最も起こりやすい

無気肺と術後肺炎についてお話したいと思います。

ではまた書きます☆

 

 

 

https://www.instagram.com/p/CDqd-gFj6KU/

今日は術後管理呼吸の観察と術後呼吸器合併症について書きました。よかったらみてね⭐️明日は呼吸器合併症のもっとも起こりやすいものについてお話ししようと思います。http://saccyan-kango.hatenablog.com